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看板よもやま話

【京都景観賞】市長賞受賞者インタビュー(京都一加編 前編)

更新日:2016.2.8

「平成27年度京都景観賞 屋外広告物部門」で市長賞を受賞された皆様へのインタビュー。
 ※「市長賞」とは,京都のまち並みに調和し,美しく品格のある京都の景観形成に貢献する,特に優良な屋外広告物を表彰したものです。
今回は三条通柳馬場南西角にあります「京都一加」様にお邪魔しました。

市長賞を受賞された「京都一加 本店」は平成25年10月にオープンされた比較的新しい着物のお店です。
店舗は京都本店と東京の銀座に「京都一加 東銀座店」の2店舗を構えておられます。
二つ減らして一つ加えるという「二減一加(にげんいちか)」をブランドコンセプトに,日常の様々な場面に応じた,
少し控え目で粋な着物のコーディネートをご提案されています。
(京都一加の企業情報等につきましては,コチラをクリックしてご確認いただけます。)

今回は広報担当の菊池さんにお話しをおうかがいしました。


「二減一加」に込められた想い

――この度は市長賞受賞おめでとうございます。店舗にうかがった第一印象として,お店のつくりが特徴的だと感じました。
  どのようなコンセプトで店舗づくりをされたのでしょうか。

菊池さん:確かに他の呉服屋さんとは少し違う雰囲気でしょうか。
     呉服屋さんといえば畳があって,靴を脱いで上がることが多いですよね。
     それは建物が日本家屋の特徴を受け継いでいる部分があってのことだと思うのですが,
     入りにくいと感じる方もいらっしゃるかと思います。「畳ではない着物店」が店舗デザインのキーワードの一つとしてあります。
     また,ブランドコンセプトの「二減一加」,二つ減らして一つ加えるということが,
     店舗デザインにおいても一番大事なコンセプトになっています。

――「二減一加」というコンセプトのお話しが出たのですが,これが店舗デザインを含めてブランド全体の根底にあるんですね。
  「京都一加」というお店の名前もここから来ているのでしょうか。

菊池さん:はい,そうです。「二減一加」というコンセプトがすべての基になっています。

――京都一加として,着物店を始められた経緯をお教えいただけますでしょうか。

菊池さん:京都一加は,ジュエリーの「俄」(「「俄 京都本店」も「平成27年度京都景観賞 屋外広告物部門」で市長賞を受賞)の
     代表の青木が,同じく代表をしております。俄の本社ビルが2009年に安藤忠雄さんの設計で新しくなり記念式典があった際に,
     青木が奥様と着物で出席しようと思い京都の呉服屋さんを回ったそうですが,この業界独特のしきたりがあって,
     知らない人にとって呉服屋というものはとてもわかりづらいと感じたそうです。
     京都という土地柄,周囲には呉服業界の方が多くいらっしゃるのでその話をしたところ,
     「でも,歴史の長い業界だから…」という声が返ってきたそうです。
     青木としては,着物を着たいけれどわかりづらさのためにためらっている人が多くいるのではないかという気持ちがあり,
     「それなら自分で立ち上げよう」と着物店を始めました。

――京都一加の始まりは代表ご自身の実体験がきっかけだったんですね。

菊池さん:はい。そこからどのような着物店,ブランドコンセプトがいいのかを考えた時に,「二減一加」という言葉が出てきました。
     「二つ減らして一つ加える」というのは,今着たい着物を考えたときに,過度な装飾は二つ減らして,
     あなたらしさを咲かせるものを一つ加えましょうということです。そこから展開して,広くブランド全体のコンセプトとなりました。
     日本文化のもつ引き算の美学にもかなっていると思われました。

――「二減一加」という言葉を実際に店舗開発の形にする中で,意識されたことはございますか。

菊池さん:まず気を配ったのは,店舗設計をどなたにお願いするかということでした。SIMPLICITYの緒方慎一郎さんにお願いしました。
     「日本の美」というものをとても大切にしていらっしゃる方で,昔は外国にあこがれを持っていたけれども,
     実際に行ってみたら日本の伝統の中にこそ革新の種があると思われたそうです。
     日本のかたちを現代に進化させるデザインをしていらっしゃって,この方なら日本の伝統のうえにある「二減一加」の想いを
     店舗に実現してくれると,設計をお願いしました。

――店舗づくりの中にも,和を大切にされているんですね。

菊池さん:連綿と続く着物の世界があり,その世界を楽しんでいる方がいらっしゃいます。
     一方で,着物は高いのではとか,わからなくて怖いとか,「始めたいのに始められない」という方もいらっしゃいます。
     そんな方々のハードルを取り除いて着物を始めていただくためには,私どもも今までと少し違う発信をしていかなければいけない。
     日本の文化としての伝統,デザイン,精神は大切にしつつ,新しく始めていただくためのプラスアルファを
     提供していきたいと思っています。その基にあるのが「二減一加」なのです。

「褒められ着物」を広げていくために

――確かに着物は高級感がある,晴れ着として着るものというイメージを持っている方もいらっしゃいますよね。
  京都一加のホームページを拝見していると,買い物の場やデートの場など,日常生活で着る提案もされています。

菊池さん:もっと気軽に日常の場面で着ませんか,というお誘いを具体的な場面でご提案しています。
     大きな流れとして洋服中心の生活が元に戻ることはないでしょうが,装いとして「着物が好き」ですとか,
     日本の伝統として着物を着たいという方たちもいらっしゃいますよね。その方たちは,本当はもっと着物を着たいのです。
     私達一加のスタッフも着物が好きでこの業界に入ってきたのでそういう想いを持っています。
     日常の時々で素敵に着物を着る。その姿を見た人が「素敵だな」「私も着たいな」と思う。
     そんないい意味での連鎖が出来ていくのではと考えています。
     普段からもっと着物を着ましょう,素敵に着ましょう,そして褒められましょう!ということを「褒められ着物」という言葉で呼んでいます。
     着物と帯だけでなく小物も,そして着付けや髪型,着姿もトータルにきれいに素敵にして褒められる。
     褒められたら嬉しいし,周りの人たちも「あぁ素敵,私も着よう」と,みんなが幸せな気持ちになっていくのではないかと思っています。

――着物を自然に着ることができるような,広がりをつくっていくということですね。
  お店にいらっしゃる方も幅広いと多いますが,お客様によっておすすめするものも変わってくるのでしょうか。

菊池さん:そうですね。それぞれのお好みもありますし,また例えば結婚式とお友達との食事では着る着物も変わりますね。
     着る状況をうかがって,またお手持ちのものをうかがってそれを活かすことも考えながら,
     具体的なご提案をさせていただくようにしています。
     TPOという意味では,着物はとても季節感のあるものなので,3か月ごとに季節のおしゃれを紹介するリーフレットや,
     毎月「一加便り」というものを発行し,月々にふわさしい着物や帯の色,文様,気を付けるとよいことなどをご紹介しています。

――着付け教室や相談会も行っているとのことですが,やはり,こちらも気軽に着物を着ていただくための取組なのでしょうか。

菊池さん:ええ,そうなのです。着物には帯締めや帯揚げといった小物など様々なアイテムがありますが,
     それをどう組み合わせたらいいかわからない,譲り受けたものが使えるのかわからない。
     この着物に合う帯が見つからない,等々,お困りの声があります。他にも着付けができないですとか,髪がきれいに結えないとか,
     いろいろなことが必要になってきて,それなら「すべてお引き受けしましょう」と考えています。
     自分で着たいという方には着付教室,おまかせしたいという方には着付サービス。着物が汚れたらメンテナンスも承っております。
     また,お母様やおばあ様の着物を生かしたいという方も多く,今あるものをその方用にアレンジするご提案など,
     どうぞお気軽にご相談くださいという会も開催しています。
     困ったら来ていただければ,一通りお引き受けいたします。

――自分でできないことも多いですし,何でも相談できる環境があれば非常に助かります。
  一加の着物デザインにはどのような特徴があるのでしょうか。

菊池さん:二減一加な着物ということですね。過度な装飾は二つ減らしてあなたらしさを咲かせるものを一つ加える。
     シンプルできれいめなスタイルをご提案しています。
     「東京っぽいですね」「東京の着物屋さんですか」と言われることもあるのですが,京都発であることを大事にしています。
     ブランド名にも「京都」とつけさせていただきました。京友禅や西陣の帯など京都のものが多いですし,
     シンプルなだけではなく,京都の持つ伝統や技術,美意識を背景にしながら現代に合わせていくという感覚なのです。
     現代のまち並みに合っていて,まとった方自身が素敵に輝ける着物。そのデザインの背景には「京都」があると思っております。

――二減一加な着物,一加らしいデザインを是非お店で見ていただきたいですね。

次回は店舗づくりや広告物について,また京都への想いなどをご紹介します。

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