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看板よもやま話

【京都景観賞】市長賞受賞者インタビュー(松栄堂 京都本店,産寧坂店編 後編)

更新日:2016.1.12

前回に引き続いて,京都景観賞で市長賞を受賞された「松栄堂 京都本店」「松栄堂 産寧坂店」について,
株式会社 松栄堂の管理部の井上さん,企画広報部の松岡さんにお話しをおうかがいします。
(前回の記事をご覧になっていない方は,コチラから御確認いただけます。)
今回は,京都本店の広告物について,そして今後の事業についておうかがいしています。

広告物の是正を機に社内コンテストを実施した京都本店

          

――京都本店に話を移したいと思います。こちらはすばらしい屋外広告物を掲げたいと,社内コンテストをされたとうかがっていますが,
   どのような経緯があったのでしょうか。

井上さん:このビルは20年前に建てられたもので,随処に先達からのこだわりが詰まっています。
     例えば,玄関前の駐車場に芝生を敷いておりますが,当時の設計としては斬新だったようです。
     屋外広告物の適正化をするにあたり,今の社屋にマッチしたデザインを考えようと検討しはじめ,
     どうせやるなら前向きに取り組もうということで,社内コンテストをするに至ったのが2012年です。
     条例の完全施行である2014年8月末(経過措置期間終了)までには間に合わせたいという思いで始めたのですが,
     当時は実際に看板を付け替えている事業者は少なかったと聞いています。
     社員から出された案がそのまま採用されたわけではないんですが,最終的な決裁にあたっての材料として役立ったと思います。
     応募は全部で40件以上にもなりました。

――40件もあったんですね。社員からの応募にはどんなものがあったのでしょうか。

井上さん:様々な部署の社員が,クリエイティブなものから,他の店舗の事例を集めたもの等,多岐にわたりましたね。
     事例を集めたものは完全なコピーではなく,「いい事例を取り入れるなら,どのような工夫をしようか」と社員が持ち寄ったアイデアです。
     景観賞がもう少し前の時期に行われていたら,参考にさせていただいたかもしれませんね(笑い)。
     (第1回の京都景観賞 屋外広告物部門は2013年3月に表彰式を実施)


   ↑ ↑ ↑           
   「松栄堂 京都本店」の広告物改修の際に行われた「京都本店 屋外看板社内コンテスト」の募集要項。
   看板の設置条件として,本市条例に即した形で設置できるよう,基準も紹介されていました。
   実際の応募では,スケッチやイラスト等具体的な提案だけではなく,他企業の参考事例等も募集されていました。
   様式は様々でも,社員の皆さんの創意工夫にあふれた作品が集まったそうです。
 
――応募作品も様々だったということですが,候補が集まってから実際に完成するまで社内でも多くの苦労があったと思います。

井上さん:実際,コンテストをしてみると,デザインは決まらないですね(笑い)。
     木の看板がいいとか,ぶら下げがいいとか,でもそれをしたら危ないとか,行燈がいいとか…。
     また,実際デザインが良くても,お客様から見えないと看板としての本来の意味をなしません。
     京都本店は,車で南からいらっしゃる方からは気づかれにくいんですよ。以前の看板は高すぎて視界に入りにくかったこともあり,
     お客様の目線ってどこなんだろうと,実際歩いてみることもしました。
     今のところ,北側から歩いてくるお客様からは看板がよく見えますし,夜は照明が付くので確認できます。
     車でも意識して店舗を探してくださる方には,ある程度の距離からは気づいていただけます。
     実際に看板を取り付けるまでは,デザインコンテストを実施した後も,試行錯誤しましたね。

――最終的に案が決まったのはいつなのでしょうか。

井上さん:京都市の補助金の申請(松栄堂 京都本店は本市が優良な屋外広告物の設置や設計等に掛かる費用の一部を補助する「補助金交付制度」を
     活用されました。)をする時に確定したので,2013年8月くらいですね。
     ただ,当社がデザインを考える中でありがたかったのが,社内に商品のデザイン部門があったことです。例えば今ある看板を消して,
     他のお店の行燈つけたら外観はどうなるか等,デザイン画を確認しながら進めることができたので,改修するのに完成形を
     イメージしやすかったということですね。

――コンテストを実施して良かったと感じることはありましたか。

井上さん:新しい広告物が出来上がるのに2年近く(2014年2月に完成)かかったのですが,社員のみんながプロセスをわかっているので,
     出来上がったものに愛着がわきます。当社も幅広い社員を採用していて,デザインができる社員もいれば,そうでない社員もいます。
     例えば,今は店舗の販売をしている社員がおりますが,ひとりで何件もアイデアを出してくれ,その作品から隠れた才能を見せていました。
     社員にとっては能力を発揮でき,仕事へのモチベーションも上がりますし,会社としても普段は見えない社員の力を
     見ることができる点では良かったと思います。

「香りとの出会い」を大切に

――景観賞を受賞された店舗にはそのような裏話があったんですね。そのお話をうかがうと,店舗の見方も変わってきます。
  次は松栄堂様の事業について伺いたいと思います。製造販売はもちろん,普及活動も行っておられるということですが。

松岡さん: はい。お香は日本において1400年以上の歴史がありますが,全ての人にとって馴染みのあるものではありません。
     つくったものをただ店頭に並べておけば売れる,というものではないんですよね。やはり,わたしたち作り手がその魅力を語り,
     多くの方に知っていただくことが必要です。お香に限らず,広く香りについて意識をとめていただこうという思いで30年ほど続けている活動に
     「香(かおり)・大賞」というエッセイコンテストがあります。「香り」について800字のエッセイを書いていただくというコンテストです。
     ほかには本店の2階でお香やお茶を学ばれているみなさんが主体となって開催する「お香とお茶の会」の運営もしております。

          
            「香・大賞」や「お香とお茶の会」等,お香の普及活動も進めていらっしゃいます。

――お香の香りを文化として広げていくということですね。

井上さん:例えばコーヒーであれば,いいコーヒーを飲もうと思ってドリップするというのは,日常生活と距離が近いと思うんです。
     ですが,香りを取り入れようというのは,実際に使っている人の話に感化されたり,どこかで素敵な香りの使い方を見たりと,
     外からの刺激がないと具体的にイメージできない点はあると思います。そういう意味で,メーカーとして,日常に香りを取り入れる楽しさを
     発信することは当然だと考えています。店を構えて自然とお客さんが来ていただけるのが一番嬉しいのですが…。

――お香の香りは日本人が一度は感じたことのある香りなのかな思います。潜在的には日本人が持っているものですしね。

井上さん:まさにそれもチャンスの一つですよね。一度触れていたものにどうやってもう一度出会っていただくか,
     「香りとの出会い」をいかにたくさんつくり出せるか。

――「香りとの出会い」ですか。そのきっかけになる商品や取り組みがあれば教えてください。

松岡さん: 「ふうか」という商品があります。最近はなかなか火を使うことのできる環境になかったり,
     マッチをつけられないという方もいらっしゃったりします。
     お香は火を使うものが多いのですが,火がなくても和の香りを楽しんでもらうために開発したのが「ふうか」です。
     ポータブルな芳香器でファンの風によって香りを空間に放出します。
     火を使えないことをネガティブにとらえず,それをチャンスに捉えてできた商品でした。
     新しい香りとの出会いと言っても良いと思います。

          
          火がなくても,様々な場面で和の香りを味わえるという芳香器「ふうか」

香りのことならどんなことでも引き受ける「香百般」を目指して

     

――今後,香りという分野で事業展開されている中で目指されていることはありますでしょうか。

松岡さん:我々は香りの専門店であるという自負を社員一同持っていますし,その思いをいかにしてお客様に提案できるかを常に考えています。
     それこそ初めてのお客様もいれば,すでにお使いの方でも「次はこんな使い方をしたい」とお求めの方もいらっしゃるかと思います。
     なんでも揃う「百貨店」と同じ意味で「香百般」と言っているのですが、松栄堂に来たら,日本の香りに関わるものは何でも揃っていると
     思っていただきたいですし,そしてそれに付随することならどんなことにも耳を傾けるスタンスを今後も持ち続けたいと思っています。


新たな商品や店舗開発には,香の文化,伝統を伝えていく中で,時代や周囲の環境に応じた取り組みを率先して行っていらっしゃいます。
その姿は,今回,市長賞を受賞されたまち並みとの調和を目指しデザインされた産寧坂店,社内コンテストを実施された京都本店の広告物,外観にも
感じ取ることができるのではないでしょうか。
このような思いを持った事業者の皆様の御理解,御協力のもと,本市の取り組みを進めていくことができているのだと,再認識いたしました。

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